コードコメントはなぜ必要?目的と書くべき内容をやさしく解説

こんにちは!このページでは、システム開発におけるコーディングコメントを書く目的や、その内容について考察していきます。

本記事の目的

システム開発において、コーディングコメントはコードの可読性(読みやすさ)や保守性(修正のしやすさ)を高めるうえで、欠かせない重要なスキルです。しかし実際には、その書き方や内容が正しく理解されていない場面が少なくありません。

特に、教育を担う開発者に十分な経験や知識がない場合、誤った情報が共有され、それが現場で“正しいルール”として定着してしまうこともあります。その結果、コメントがほとんど書かれなかったり、かえって保守性を損なうような非効率なコメントが増えてしまうケースも見受けられます。

さらに近年では、AIによるコーディングが普及する中で、コメントに関するノウハウが徐々に失われつつあります。とはいえ、AIがコードを生成し、AIを用いて処理の内容を把握する場面においても、コメントの重要性はむしろ高まっています。今後は、開発者が業務知識に基づいて適切なコメントを付けることが、より本質的な役割になっていくでしょう。

本記事では、これからシステム開発に携わる方や、コメントの書き方に不安を感じている開発者に向けて、実務で役立つ実践的な視点や知識を提供することを目的としています。

筆者自身がこれまでに先輩エンジニアから学んだことや、実際の現場で得た経験をもとに、効果的なコメントの書き方とその背景にある考え方について、丁寧に解説していきます。

コメントを書く目的は?

「コメントにはどんなことを書けばよいのか?」という問いに答えるには、まずコメントの役割と目的を正しく理解することが重要です。

コメントは、プログラムの実行時には無視され、コンパイル後のコードにも含まれません。文法的な制約も少ないため、自由に書ける印象があります。しかし、それは「何を書いてもよい」という意味ではありません。

コードは動けばよいというものではなく、ソフトウェアを長期的に保守・運用していくには、「なぜそのように実装したのか」といった背景や意図を補足しておく必要があります。こうした情報は、コードそのものからは読み取れないことが多く、コメントで補うべき重要なポイントです。

システム開発に携わった経験があれば、このようなコメントの価値は自然と実感されていることでしょう。つまり、コメントはコードの書き手自身のためではなく、それを読む人のために存在するのです。

もちろん、もしも「誰もそのコードを読むことがない」という前提のシステムがあるなら、コメントは不要かもしれません。しかし、そのようなシステムは現実にはほとんど存在しないでしょう。

ここでいう「読む人」とは、将来の自分自身である場合もあれば、他の開発者、コードレビュー担当者、さらには近年活用が進むAIツールも含みます。いずれにせよ、コメントの目的は、コードを保守・運用していく上で必要となる情報を、読み手に対して明確に伝えることにあります。

保守・改修において必要なコメント情報とは

コメントを書く目的が明確であれば、コードの保守や運用に必要な情報だけを記述し、不要な情報を省くことができます。では、コードの保守・運用を行う上で、読み手が本当に必要とする情報とは何でしょうか。

コードを読む目的は、大きく次の2つに分けられます。現状を把握するため、または、改修・変更を行うためです。 それぞれの目的に応じて、コメントに含めるべき情報の内容も異なります。

現状を把握するための情報

コードからは直接読み取れない前提条件や背景、設計時の意図などは、コメントによる補足が不可欠です。たとえば、「なぜこの機能が必要なのか」「どのような利用シーンを想定しているのか」「この処理はどこに影響するのか」といった情報は、現状把握に役立ちます。

また、処理内容が直感的に理解しにくい場合や、プロジェクトのスコープ変更により暫定的な対応となっているような未完成な部分についても、丁寧な説明が求められます。

改修する上で必要な情報

コードを改修する際には、その処理の目的やアルゴリズムの意図、特殊な定数値、外部との依存関係などの情報が非常に重要です。中でも、以下のような情報はコメントとして残しておくことで、改修作業の効率とコードの保守性が大きく向上します。

  • 処理の目的やアルゴリズムの概要
  • 特定条件での動作理由や、前提となる条件
  • パフォーマンスに関する制約やチューニング時の注意点
  • 特殊なテスト手法や実施手順
  • 誰が・いつ・なぜ変更を行ったのかという履歴

これらの情報は、後から調査や再取得するには多くの手間がかかるため、初めからコメントとして記録しておくことで保守性が大きく向上します。一部では「このような情報は不要」との意見もありますが、それらを一律に排除すべきではありません。この点については、別の記事で詳しく取り上げる予定です。

避けるべき不要なコメント

一方で、保守・運用に役立たないコメントも存在します。たとえば以下のようなものは避けるべきです。

  • すでに現状と食い違っている古いコメント
  • 処理内容をそのまま繰り返して説明するだけのコメント(例:「aに1を代入する」)
  • 理由が説明されていない「変更禁止」などの制限コメント

コメントは読み手の理解を助け、将来的な保守や改修をスムーズにするためのものであるにもかかわらず、意味のない情報はかえってノイズとなり、誤解や手戻りの原因になりかねません。

次回について

ここまでで、コメントにはどのような内容を記述すべきか、その基礎的なイメージがある程度つかめたのではないでしょうか。AIを使ってコーディングする場合でも、そうでない場合でも、コメントの基本は変わらず重要なスキルです。

コメントは不要?バージョン管理とコメントの本当の役割とは

👉 次の記事を読む